『フッ化物は天然の環境物質』
「フッ素」は天然に存在する天然元素の一つであり、地球上では他の元素と結合したフッ化物の形で存在します。
フッ化物は私達の身の回りに存在し、海水中には約1.3ppm、土壌には約300ppm含まれています。
つまり、そこからとれる魚類、野菜、肉、お茶など、あらゆる食品、飲料水にはフッ化物が含まれていることになります。
ヒトは太古の昔から毎日フッ化物を摂取しながら生きているのです。
『フッ素は有益な微量栄養元素』
このことは世界の約150の専門機関が認めています。すべての栄養素がそうであるように、フッ素も過不足なく適量を摂取することが健康維持につながるといえます。
『フッ化物のう蝕予防メカニズム 脱灰の抑制と再石灰化の促進』
実際にフッ化物が歯面に取り入れられると、どのような働きをするのか知る為にはう蝕発生のメカニズムを理解する必要があります。
まず、プラーク中の細菌が酸を産出すると、エナメル質中のカルシウムイオンやリン酸イオンが容出していきます。これを「脱灰」といいます。一方、中性環境に戻ることでカルシウムイオンやリン酸イオンが再び取り込まれ結晶化します。これを「再石灰化」といいます。歯の表面ではこの「脱灰」と「再石灰化」が繰り返されており、二つのバランスが保たれている限りう蝕は発生しません。いいかえれば、平衡が崩れたときにう蝕が発生するということになります。脱灰と再石灰化が繰り返されている
歯の周囲に低濃度のフッ化物が存在すると、脱灰が抑制されたり、再石灰化が促進されたりすることがわかっています。また、フッ化物がプラーク中の細菌の酵素を抑制することも報告されています。